今回は最近大手の病院を中心に増えているFAXでの疑義照会についてです。
疑義照会しようと思ったら「FAXで!」と電話で言われることもありますよね。
また、処方箋にFAXにてするよう書いてあるケースも多いので、あまり馴染みのない病院やクリニックに疑義照会するときは一通り確認しておきたいところです。
いざ、FAXの疑義照会をしようとしても、どうゆう風に書くかとか結構迷いますよね。今回は使い勝手の良さそうなテンプレートの照会や、実際の疑義照会の書き方の例などを挙げてみます。
疑義照会をFAXで行う時のテンプレートや様式は?
まずは、疑義照会を実際にする予定の病院(クリニックの場合も一応?)のホームページにテンプレートや様式が用意されているケースもあります。
また、テンプレートが用意されている旨が処方箋に記されているケースもあるため、まずは処方箋とホームページを確認しましょう。
専用のテンプレートや様式がない場合は、自分で作るのも良いですが、使い勝手の良さそうなテンプレートを使わせてもらうのも良いかと思います。
例として、中国労災病院の「疑義照会票(FAX送付票)」が割と汎用性があるかと思います。
独立行政法人 中国労災病院 薬剤部 (ページ中ほどの「疑義照会の用紙が必要な方はこちら」)
(使い回す場合は「宛先」の部分の修正を忘れずに。)
右側にちょうど余白があるため、ここに処方箋のコピーを貼って使うのが良いでしょう。
他にも、静岡市立静岡病院の様式も割と使いやすいかと思います。
疑義照会をFAXで行う場合の書き方の例文
疑義照会をFAXで行う場合の例文を少し考えてみました。
優先すべきは正しく伝わることなので、簡潔さを心がけたいですね。
挨拶文や丁寧さを意識するあまり、読みにくくなるのは本末転倒なのでとにかく理解しやすい内容を心がけるのが良いでしょう。
例1 タケキャブが分2で処方されている例
Rp.1 タケキャブ錠10mg 1T
分2 朝夕食後 7日分
-疑義照会の例文-
お世話になります。
以下の処方に関して疑義照会させていただきたく、ご確認をお願いします。
・タケキャブ錠10mg 1T 分2
(照会内容)
通常は1日1回の薬剤となりますが、用法は「分2」でよろしいでしょうか。
もし「分1」ご変更いただく際は、服用時点(朝食後 or 夕食後)のご指示もお願いします。
我ながら変な例を作っていました…。タケキャブは現時点では除菌を除き1日1回の用法となるため、上記の書き方でも良いかなと思ってます。
ただし、パリエットは分2が認められているので、もしかしたら意図的に分2の可能性も0ではないので、一応、極めつけがないような文章にしてみました(ただ、本当に分2だとレセプト切られるかも)。
FAX疑義照会でも、返事は電話というケースも多いため、電話が来たときに背景とかも聞いたり、こちら側の言い分とかも説明できると良いですね。
例2 ベルソムラ服用中にクラリスが処方
Rp.1 クラリス錠200 2T
分2 朝夕食後 7日分
併用薬:ベルソムラ15mg
-疑義照会の例文-
お世話になります。
以下の処方に関して疑義照会させていただきたく、ご確認をお願いします。
・クラリス錠200mg 2T
(照会内容)
患者さんが以前よりベルソムラを服用しており、作用増強の恐れからクラリス錠と併用禁忌となります。
ご本人がどうしてもベルソムラは継続したい旨の希望がありますため、他の薬剤にご変更を検討いただくのは可能でしょうか。
なお、他のマクロライド系や他の系統の抗菌剤は併用可能です。
少し荒れそうな例です。クラリスは意外と禁忌があるので要注意ですよね。
併用禁忌の問い合わせをすると結構、併用している方をやめてと指示が来ることがありますよね。ただ、患者さんがどうしてもそっちをやめたくないという場合もあるので、あらかじめ患者さんに確認した上で、先回りをして問い合わせている例です。
一応、薬剤師らしく他の薬剤のことも触れておきましたが、具体的な代替候補の薬剤名を挙げるべきかは難しいところですよね。クラリスの処方意図にもよりますし、普段の付き合いの濃度によっても変わってくるかと思います。
折り返しが電話でくるなら、口頭で詰めておきたいところが結構ある例ですね。
疑義照会をFAXで行う場合の用紙は?
FAX疑義照会を行う時は用紙とかみなさんどうしてますかね?
私の場合は、先に挙げたテンプレートを使いやすい形にして右半分は余白にして、A4で印刷しています。
この印刷した用紙の右側余白に、A5サイズの処方箋のコピーを糊付けして、FAXするようにしています。
これがベストかはわかりませんが、今のところこのやり方で不都合がないので、当面はこの用紙の選択で行こうかと思っています。