薬剤師の業務の中でも医師と直にコミュニケーションをとるケースが多い疑義照会。
処方の変更なども伴う可能性があるため、疑義照会の記録は非常に重要となってきます。
今回は疑義照会をした際の処方箋、薬歴への記録の書き方について確認していきます。
Contents
疑義照会の書き方|処方箋への記載
疑義照会した際の記録の書き方として、処方箋には以下の内容を記載するようにしましょう。
①疑義照会した日時・時間
②担当薬剤師氏名
③回答者の氏名
④質問した内容の要旨
⑤回答内容の要旨
こちらの内容については、保険薬局Q&A(出版:株式会社じほう)にわかりやすくまとまっているのでおすすめです。
ちなみに記載する場所は、処方箋の「備考」欄もしくは「処方」欄とされています。
ただし、処方欄は当然、処方内容が記載されているため、なるべく使わない方がベターでしょう。
基本的には備考欄を用いて、どうしても書ききれない場合に処方欄を使うのが良いでしょう。また、その際はからなず、「以下、余白」以降を使うように注意しましょう。
疑義照会の書き方の例文|処方箋
実際の疑義照会のした際の例を挙げてみます。
Rp.1) リンゼス錠0.25mg 2T
朝食後 7日分
上記処方の疑義照会の結果、朝食後→朝食前に変更
12/21 14:30
リンゼス錠の用法について、適応が食前である旨をTELにて疑義照会。
朝食後→朝食前に処方変更する旨をDr.田中太郎より回答。
問い合わせ薬剤師:薬剤太郎
最低限、上記のような内容を記載しておけば良いでしょう。
疑義照会を処方箋に書くときは赤色?
疑義照会を書くときのペンの色については、法令等において特に規定は無いようです。
薬局によっては赤色で記載するところもかるかと思いますが、全薬局で必要なわけではないようですね。
このあたりのルールは基本的には薬局のしきたりに従うので問題無いでしょう。
ただし、たまにヘルプで行った薬局で、不要なルールを強要したりするのは注意ですね。
疑義照会の書き方|薬歴への記載
疑義照会の内容は薬歴にも記載する必要があります。
特に重複投薬・相互作用等防止加算を算定する場合は、算定の根拠ともなるため丁寧に記載しておく必要があります。
近年の電子薬歴では疑義照会専用の記載フォームがあるかと思うのでそちらを活用するのも良いですね。
SOAP形式の場合はSOAP記載欄にも記録を残しておくのが良いでしょう。
疑義照会の書き方の例文|薬歴
先ほどと同じ例で確認していきましょう。
Rp.1) リンゼス錠0.25mg 2T
朝食後 7日分
上記処方の疑義照会の結果、朝食後→朝食前に変更
S:リンゼスの用法について特別な指示は聞いていないです。
O:リンゼスの用法用量について疑義照会
12/21 14:30
食前の用法である点をTELにて確認
朝食後から朝食前に変更の旨、Dr.田中太郎より回答
P:疑義照会により朝食後から朝食前に処方が変更になった旨を説明した
疑義照会の内容のみにフォーカスすれば、最低限上記内容があれば問題ないでしょう。
基本的に薬歴に関しても、
①疑義照会した日時・時間
②担当薬剤師氏名
③回答者の氏名
④質問した内容の要旨
⑤回答内容の要旨
の内容がわかるようにしておくのが良いでしょう。
上記にプラスしていつものSOAPの内容も忘れずに。
電子薬歴に疑義照会専門フォームがあれば、もう少し簡易的も良いかもですが、SOAP欄にも疑義したことがわかる程度は書くのがおすすめですね。
調剤録への記載も忘れずに
処方箋、薬歴への記載を確認してきましたが、疑義照会を行った場合は、調剤録にも記録が必須となっています。
薬剤師法施行規則の第十六条に記載がありますね(参考:薬剤師法施行規則)。
ただ、処方箋の裏打ちを調剤録にしている場合は、処方箋欄にあれば裏の調剤録の記録は省略できたという記載をどっかで見た気もしますね。軽く探しましたが、この点は明確な根拠が見つかりませんでした。
再度、確認が取れたらまた追記したいと思います。